ホルベインの『フィキサチーフ』開封レビュー ~パステル専用と通常品~

ホルベインのフィキサチーフ 画材

以前より愛用しているホルベインの「フィキサチーフ」を補充しました。

粉っぽいパステルや木炭・鉛筆などの固着力が弱い作品に、フィキサチーフを吹き付けて定着するために使うスプレーです。今回は、木炭・鉛筆の作品に使う通常のフィキサチーフと、久々にパステル専用フィキサチーフの2本を購入しました。

ホルベインのフィキサチーフを購入

今回も安定のアマゾンさんです。

amazon以外の出品者が販売する「amazonマーケットプレイス」からの購入は、個人的に少し不安があるので出来る限り避けています。ですから、今回もamazon販売・発送の「プライム」マークが付いたものを探して買いました。

  • 画用液 300ml O601 スプレー パステル フィキサチフ(パステル専用)
  • 画用液 480ml O630 ビッグ スプレー フィキサチフ(通常品)

パステル専用は容量100ml・300mlの2種類、通常品は容量100ml・300ml・480mlの3種類がある中で、一番大きいサイズを選びました。

“パステル専用”と“通常”のフィキサチーフ 違いは?

ホルベイン フィキサチーフ スプレー
左:パステル専用、右:通常品(ビックサイズ)

在庫があったので、すぐにパステル専用と通常のスプレー缶 2本届きました。

パステル専用スプレー缶は容量300mlで、木炭紙(65cm×50cm)約35枚分にスプレーできます。通常品のビックサイズは容量480mlで、約55枚分です。

パステル専用と通常品を今回は1本づつ買った訳ですが、何気なく商品を眺めていると、変なことに気づいてしまいました。

下の写真です。
通常品のスプレー缶、オモテ面です。

ホルベイン フィキサチーフ ビックスプレー

よく見てください。気付きましたか?

真ん中に英語で
「FOR CHARCOAL, PENCIL, PASTEL AND CHALK DRAWINGS」
ってあります。簡単に訳すと「木炭・鉛筆・パステル・チョークの作品用」。

通常品のフィキサチーフにもパステルがあって、なら「パステル専用は?」と疑問になりますが、実は通常品のフィキサチーフもパステル画に使えます。
使えますが、パステル画にフィキサチーフを使うときは注意しないといけないことがあるんです。

通常品とパステル専用の違いについて、少し説明しますね。
フィキサチーフは、合成樹脂をエタノールに溶かした溶剤です。吹き付けると空気中に揮発するので、合成樹脂だけが画面上に残って、木炭や鉛筆で描かれた作品を定着させます。

ただし、パステル画の場合は、メーカーによっては染料質の色素を使ったパステルがあって、そういったパステルを使った作品に、通常のフィキサチーフを使うと、色が強くにじんで、画面の様子が変わってしまいます。作品が台無しです。

そこで、パステル専用は石油系溶剤が使われます。石油系は染料が溶けることがないで、合成樹脂で定着することができます。パステル画の場合は、今回購入したようなパステル専用のものを使うのがオススメです。

パステル専用と通常品の違い
左:パステル専用、右:通常品(ビックサイズ)

写真左側のパステル専用フィキサチーフは「合成樹脂 精製石油系溶剤」と書かれてて、石油系溶剤なことが分かりますね。

安全にフィキサチーフを保管しておきます。

フィキサチーフは可燃性です。スプレー缶の裏面には「火気と高温に注意」と注意書きがあって、「高温にすると破裂の危険があるため、直接日光の当たる所や火気等の近くなど温度が40度以上となる所に置かないこと。」って、書かれています。

昨年2018年の夏は記録的な猛暑・酷暑で、岐阜は気温40度を超えることもありましたし、ちゃんとアトリエの日が当たらない場所に安全に保管しておきたいと思います。

ホルベインのフィキサチーフスプレー保管場所

2つのスプレー缶のデザインが似てて、同じ青系なので、ついつい「パステル専用はどこ?」って探してしまいます。目の前にあっても、しばらくパステル専用だと気付かないこともありますね。